2年ぶり、通算3個目の盗塁が逆転劇を生んだ。6月9日
巨人戦(
西武プリンス)、3点リードされての6回裏。先頭の秋山が二塁打で出塁、続く栗山の適時打で1点を返すと打席には
メヒア。二ゴロで二走・栗山が飛び出して走塁死となったが、自身が一塁走者となると、中村の初球だった。
「相手がまったく警戒していなかったから、自分の判断で行ってみた」
完全に相手バッテリーの意表を突いた盗塁が決まると、浅村の適時打でこの回2点目のホームを踏んだ。
1点差に詰め寄ったことで、一気に流れを手繰り寄せたチームは、7回に逆転に成功し、さらに一死一、二塁で再びメヒアに打席が回ってきた。2ボールからの外角スライダーをスタンドインさせ、7対3と試合を決定づけた。巨人戦でのカード勝ち越しは2008年以来だけに、この勝利は一層価値あるものだった。その勝敗を分けたポイントとして、関係者はじめ多くの人がメヒアの盗塁を称えた。
だが、一方で、結果はともあれ、サイン無視の独断に対し、コーチ陣からは「彼に求めているのは盗塁ではなく、打点や本塁打。それ以外のところでケガをされたら困るなど、こっちはさまざまな意図があった上でサインを出している」。幸い、この試合では次打席に20号ダメ押し弾で貢献したが、コーチの言葉に至極納得。16日、中村が負傷で登録抹消された。なおさら、メヒアには得点を生む役割が求められる。やはり、助っ人に誰もが期待するのは豪快な一発だ。