21ホールドと、14セーブ。
益田直也が今季残した成績だ。中継ぎとしてスタートし、守護神・西野の離脱により抑えも務めた。シーズン半ばで役割が変わったためにホールドとセーブはいずれも突出した数字ではないが、61試合に投げて防御率1.83という好成績が物語るように、安定感抜群の投球でブルペンを支えた。
ルーキーだった2012年、72試合2勝2敗1セーブ、防御率1.67と目覚ましい成績で新人王に輝いた。13年は33セーブを挙げて最多セーブのタイトルを獲得。14年と15年も50試合以上に登板したが、防御率は14年が4.94、15年は3.91と振るわなかった。肩周りや胸の筋肉を鍛え直し、150キロに達するまでに球威が戻ったことで、今季は見事に復活した。
開幕から10試合連続で無失点を続け、5月7日から6月24日にかけては18試合続けて失点ゼロ。落合投手コーチも「ここ2年くすぶっていたけど、あれが本来持っている力」と目を細めた。
シーズン終盤に右ヒジを痛めたものの、今季は一度も出場選手登録を外れなかった。西野をはじめ、大谷や内、藤岡とリリーフ陣にケガ人が相次いだだけに、益田の存在は際立つ。西野が戦列を離れた7月31日、
楽天戦(QVCマリン)でセーブを挙げると「追い付かれるわけにはいかない。いいイメージを作って安心してもらえたら」と強い責任感を口にし、そのまま最後まで抑えを務めて2年連続のAクラス確保に大きく貢献した。