人生初の手術を乗り越え、再起を目指す。
上沢直之はプロ5年目の昨季、開幕直前の3月に右ヒジにメスを入れた。
「手術も初めてで、野球人生で一番つらいシーズンだった」
2015年終盤に抱えた違和感を拭うことができずに決断。6月の実戦復帰を目指してリハビリも、再びマウンドに上がれたのは8月。最終的に一軍復帰はできなかった。
オフに入り、厳しい現実も受け入れた。14年に8勝を挙げたが、15年は5勝、昨季は一軍登板なし。契約更改では2400万円から1400万円減の1000万円(金額は推定)でサインした。
「来年しっかりやれば失ったものも取り返せる」
58%ダウンを巻き返しの糧にして一からの再スタートを誓った。
今オフは精力的に投げ込んでいる。年明けには毎年恒例の山梨での自主トレを開始。1月中旬からは二軍本拠地の千葉・鎌ケ谷に拠点を移し、ブルペンで投球練習を重ねる。投球フォームはオーソドックスなオーバーハンドだが、自主トレではサイドスローを採り入れている。「体重移動を意識するためです。サイドで投げた後に上から投げると、いい感じがつかめる」と復活への手応えを日々深めている。
右ヒジの不安は一掃された。2年連続でアリゾナキャンプの参加も決定。
「状態を上げれば一軍で勝負できると思っている。とにかく先発ローテに入って1試合でも多く投げたい」
巻き返しの準備は着々と進んでいる。