厚い信頼の証しだった。今季も開幕戦のマウンドを託されるのは
菅野智之だ。高橋監督は昨季終了後、ジャイアンツ球場で行われていた秋季練習で、早くも右腕を開幕投手に指名した。プロ2年目から4年連続の大役。エースは「自分の中でこだわりがある。早い段階で指名していただいて、オフの過ごし方も気合が入る」と責任感を口にした。
過去3年はすべて勝利投手となっており、今季は1993~96年に
斎藤雅樹(現二軍監督)がマークした球団最長となる4年連続の開幕戦白星がかかる。3月開催の第4回WBCでもエース格として期待される菅野は、日本一&世界一を狙う勝負の1年を「集大成の年だと思っている」と位置づけ、オフを過ごしてきた。
昨年12月中旬からハワイで
オリックス・西らと合同自主トレを行った。WBCに向けて仕上がりも早い。さらに昨季終了後、「(マウンドと本塁間の)奥行きを使いたい。投球の幅を広げたい」とチェンジアップの習得を決意。「進化をしていかないとやられてしまう世界。毎年常に違うテーマを持ってやるようにしています」と、ワンシームを持ち球に加えた昨オフに続く新球種習得に踏み切った。あくなき向上心がエースの真骨頂だ。
「2年連続で優勝できていない。個人的にも中心選手としての悔しさと責任を感じます」と並々ならぬ覚悟を漂わせる背番号19。高みを見据え、大黒柱としてチームを引っ張る。