左サイドから投げ込むボールが、首脳陣の視線を集めた。ドラフト9位ルーキー・
高梨雄平は、左の中継ぎ候補として一軍枠を争っている。2月4日、ルーキーのトップを切って打撃投手を務めると、梨田監督から「ストライク先行で変化球も手元で曲がってくる。すごくよかったと思います」と高い評価を得た。
初実戦でも強烈な印象を残した。同14日の韓国・ハンファ戦(金武)で、6回に5番手として登板。連続三振に遊飛と、打者3人を完璧に抑え「ストライク先行で投げられたけど、ボールの質はまだまだ。もっとよくしていかないと。ちゃんと、ピッチングができたのはよかった」と反省を口にしながらも、うなずいてみせた。
大学、社会人を経ての入団も、まだまだ発展途上だ。早大時代はリーグ戦で完全試合も達成した本格派左腕。しかし、社会人2年目の昨年初夏、サイドに転向。半年足らずでドラフト指名を受けた。「合同自主トレからの1カ月半でフォームが固まって、チェックポイントも見つかった。体の使い方で、スライダーも曲がるようになった」と成長を続けている。
与田投手コーチは「左投手だけじゃなくて、右も含めて1イニングを任されるようになってほしい」と中継ぎの一角として期待を寄せている。昨季54試合に登板した金刃に続く、貴重な左腕。「まずは開幕一軍」と目標を掲げる24歳が、チームの弱点だった左不足解消の切り札となる。