
来季から本格的にリリーフ転向する釜田
期待されながら、真の主力にはまだなり切れていない。
釜田佳直はプロ6年目の今季、4勝3敗、防御率4.95という不本意な成績で終えた。9月以降はファームで中継ぎ調整。今年最後の登板は、CSファイナルステージ第5戦での、リリーフ登板だった。自らの殻を破るため、来季は本格的にリリーフに挑戦することを考えている。
がむしゃらに走ってきた道を、冷静に見つめ直した。プロ1年目から先発として起用されながら、シーズン最多は1年目と昨季の7勝。右ヒジ手術から復帰して以降、ここ2年間は1度も完投がない。「先発でやって6年。先発なら完投したいと思うけど、この2年、完投がなかった。(リリーフ転向が)何かいいほうに向かえば」。挑戦が新たな面を引き出してくれることに、自身も期待している。
150キロを超える直球とフォーク、スライダーなどの決め球もあり、ショートイニングで生きる可能性は十分ある。公式戦では1試合、CSでも中継ぎを経験し「試合の流れにいきなり入っていく難しさもある」。困難な面も垣間見た上で、覚悟を持って新たなポジションに取り組むつもりだ。
CS 終了後、梨田監督と話をする機会があったという。「『来季もリリーフでやるつもりはあるか?』と聞かれたので、そのつもりですと伝えました」。藤平らの台頭で駒がそろってきた先発陣に比べ、決して層が厚いとは言えないリリーフ陣。経験豊富な右腕の参入が、盤石な勝利の方程式へとつながっていく。
写真=佐藤真一