
主力先発陣が不安を抱えるだけに、京山に寄せられる期待は大きい
今季の一軍デビューはもう間違いないだろう。
DeNAの2年目右腕の
京山将弥が3月6日、甲子園球場で行われたオープン戦に呼ばれ、主力打者の並ぶ
阪神打線を相手に5回2安打無失点と好投を演じた。滋賀・近江高3年夏の選手権大会では初戦敗退した甲子園のマウンドで「いい思い出ができました」と笑みがこぼれた。
まだ細身で体力強化が必要な19歳だけに
ラミレス監督は「彼はローテーションを争う立場ではない」と断言したが、この日の投球に関する評価は「非常に大きなパフォーマンスだった。チームに何かあったら呼ぶリストの上位にいることは間違いない」とすでに一軍レベルに近いことを認めた。
2017年ドラフト4位で入団。昨年はイースタン・リーグで1年間通して先発ローテを守り、6勝(6敗)をマーク。新人では球団史上3人目となる規定投球回数を記録している期待の星だ。オフに参加した台湾ウインター・リーグでもイースタン選抜の一員として決勝戦の先発を託され、順調な成長曲線を描いている。
クセの少ない投球フォームから右腕をしならせ投げ込む直球は140キロ台後半に届く。阪神戦は立ち上がりに二死満塁を背負ったが、新任の
大家友和二軍投手コーチから教わった小さな曲がりのスライダーで
中谷将大を二ゴロに打ち取った。以降も新球をアクセントに手玉に取った。「今年は一軍デビューしたい。ローテ入りを目指してガツガツやっていく」と京山。その日は着実に近づいている。
写真=早浪章弘