
9月27日時点で21試合に登板し、6勝を挙げている巨人の吉川光夫
昨季は苦しい1年を送った吉川光夫が、今季は本来の姿を取り戻しつつある。それでも、MVPにも輝いた左腕の本領は、まだこんなものではないはずだ。
9月12日の
ヤクルト戦(東京ドーム)では、6回まで無安打無失点の圧倒ぶりで7回1安打無失点の好投を披露。「しっかり腕を振って打者と勝負できた。リリーフのつもりで1イニングずつ、しっかりと投げられた」と、チームは引き分けとなったものの、手応え十分の快投だった。27日時点で、今季21試合に登板し、6勝6敗、防御率4.07だが、シーズン後半に限れば同3.09と調子を取り戻してきた。
10年間在籍した
日本ハム時代は、2012年に14勝5敗、防御率1.71でシーズンMVPを獲得。15年にも11勝(8敗)をマークした。その後、2016年に
大田泰示らとの大型トレードで巨人へ移籍したが、巨人1年目の昨季は1勝3敗、同5.87と期待に応えられず、不本意なシーズンを送った。今季は開幕ローテーションに入ったものの、4、5月当初は4、5回まで、70~80球での交代を繰り返す背信投球で、一時は中継ぎに配置転換された。
後半戦は150キロ近い直球が威力を増し、8月1日の
DeNA戦(横浜)で今季最長7回1失点。ここから3連勝を飾り、首脳陣の信頼を勝ち取ったのだが……。それでも、CS出場に向けて負けられない9月19日のDeNA戦(東京ドーム)では4回途中5失点KO。チームにとっても、左腕にとっても正念場を迎えている。
写真=BBM