レベルアップに励む毎日だ
オコエ瑠偉が、もがき苦しんでいる。自ら「勝負の年」と位置づけた今季。新人だった2016年以来、3年ぶりの開幕一軍入りを果たしたが、6月10日に二軍落ち。その後は一度も昇格することなく、前半戦を終えた。
手応えはつかんだはず、だった。16年ドラフト1位で入団も、過去3年は不本意な成績に終わった。定位置獲得の道は想像以上に険しかった。心機一転、昨オフは動作解析の専門家に師事し「安打になりやすい『バレルゾーン』へのアプローチを勉強した」。
打撃フォームの改造の成果は確かに見られた。開幕からレギュラー争いに加わると、5月1日の
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)まで11連続で先発出場。同1日の時点では得点圏打率.474と勝負強さを発揮していた。
しかし、そのまま階段を駆け上がることはできなかった。同1日の試合中、走塁中に左ヒザを強打し翌日は欠場。ここから調子が上がらなかった。約1カ月、不振にあえいだ後、二軍落ちした。
現在、自らを取り巻く環境も厳しい。
辰己涼介は新人ながら着々と進化を遂げている。前半戦終了間際に左手首骨折が完治した
田中和基が一軍に復帰するなど、外野手争いは熾烈な戦いが続く。
ただ
平石洋介監督が「今季、瑠偉は頑張っている」と認めるなど、評価は決して低くはない。4年前、夏の甲子園では関東一高で同校初4強に貢献し話題をさらった逸材。さらなるレベルアップを果たし、必ず一軍で躍動して見せる。
写真=BBM