
今季は試合でも守備に就き始めた
高校時代に負った大胸筋断裂の大ケガのため、1年目の昨季は完治を最大テーマに置いていた。送球が最も患部に負担がかかるため、練習でも送球だけは慎重に段階を踏み、試合では守備には就かず、DHとして打撃に専念。そして、昨秋のフェ
ニックス・リーグで初めて内野守備に就き、ついに苦しみから解放された。
完全復活を遂げた今季、いよいよプロ野球選手として本格的な勝負がスタート。「今年、絶対に結果を残したい」と本人の気合も相当強い。
打撃センスの高さは入団時から周囲の誰もが認めるところだ。独特の構え、しなやかなスイング、振りの鋭さは、花咲徳栄高の甲子園初優勝の立役者となったことを如実に物語っていたが、「さらに成長している」と
嶋重宣二軍打撃兼外野守備・走塁コーチ。また、守備に関しても現役時代、内野の名手だった
松井稼頭央二軍監督に直々に指導を受けるなど急成長。
平尾博司二軍打撃兼内野守備・走塁コーチも「打撃も含め高校時代から厳しい環境でやってきて、素地ができて入ってきているだけに、すべての上達が早い」と、うなずく。
とはいえ、イースタン・リーグでは8月5日現在、71試合の出場で打率.219。一塁(4)、三塁(5)、外野(1)の守備で失策も10と「一軍レベルではまだまだ」と同コーチ。
西武の一軍内野手は、打撃、守備、走塁とも12球団トップクラス選手が名を連ねているだけに、割って入るには、かなりのレベルアップが求められるのも事実である。
だが、ポテンシャルも、可能性も無限大。スター性秘めた超逸材だけに、一軍デビューの日が今から待ち遠しい。
写真=BBM