
自身初の首位打者をねらえる位置にはいる大島洋平
首位打者、最多安打、盗塁王。開幕前に目標に掲げたタイトルのどれもが射程圏にあるにもかかわらず、大島洋平はまったく関心を示さなかった。「数字は全然意識していないです。まだ早いですし、僕は最後まで意識しないと思いますよ」。涼しい顔でそう言い、試合前練習に向かった。
105試合を終えた8月11日時点で打率は.310と、リーグ4位。125安打は、トップの
巨人・
坂本勇人と4本差の2位タイ。盗塁はリーグトップタイの25盗塁だ。月間打率も5月の.278から6月は.318、7月は.313と上昇傾向。盗塁数も順調に伸ばしてきた。
目の前の数字にはとらわれない一方で、タイトルに近づくためのポイントは分かっている。「8月にどうなるかじゃないですか。ずっと8月が勝負だと自分の中で思ってやってきたから」。6連戦が続き、体力的にも精神的にもタフさが求められる夏場の上昇曲線を思い描く。
昨季までの9年間で獲得したタイトルはベストナインやゴールデン・グラブ賞を除けば2012年の盗塁王のみ。17年は初の首位打者を射程にとらえながら、8月末に死球を受けて右脚腓骨を骨折。そのままシーズンを終えただけに、思いは強い。
試合前の打撃練習では横から動画を撮影してもらい、修正を加えるのが日課。「調子は普通」。好不調の波を抑え、勝負の8月を乗り切る。
写真=BBM