
代走の切り札として今季、存在感を示した植田。来季は打力を上げレギュラー獲得を目指す
貴重な走り屋として成長を続けるのは
植田海だ。内野の守備固めも目立っているが、注目すべきはその俊足ぶりだ。
「常に積極的なプレーを心掛けてアピールしたい」。8月30日
巨人戦(甲子園)で2年連続2ケタ盗塁を記録するなど、相手のディフェンスをくぐり抜ける。
6月5日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)で、1点を追う9回一死三塁、高山の左翼へのライナーで三塁を飛び出して併殺を食らったプレーがあった。チームにとって痛恨の敗戦だったが、矢野監督は「俺がサインを出してるんだから」と植田を責めることはなかった。指揮官の信頼もまた背中を強く押している。
植田が頭角を表したのは、16年U-23W杯に参加し、計9試合で6盗塁を成功させる活躍を示したパフォーマンスだった。
チームの得点力不足は深刻で、機動力野球を展開するためには、植田の足は欠かせない。「失敗を恐れずに走りたい」。持ち前の思い切りの良さが生きている。
8月11日の
広島戦(京セラドーム)で、8回同点後の一死三塁、代走で出た植田が陽川の遊撃への凡ゴロで勝ち越しホームに滑り込んだのも見事だった。
「打つほうは力強さを意識しながらしっかりやっていきたい」
今後の課題は打力アップに尽きる。当時の掛布二軍監督の勧めで俊足を生かすために両打ちに転向。残りのシーズンを定位置奪取への足掛かりにしたい。