
キャプテン主任から5年目で初めてリーグ優勝を経験した巨人の坂本勇人
最高の1年だった。坂本勇人はキャプテン就任から5年目で初めてリーグ優勝をつかみ取った。優勝を決めた9月22日の会見では、晴れやかな表情を浮かべた。
「僕がキャプテンになってから優勝できないということは、プロ野球人生の中でも本当に一番苦しみました。今まで何度も優勝させてもらったことはあるけど、自分がキャプテンになって優勝した瞬間は格別の思いで、自分が思っていた以上にうれしかったです」
小学生以来のキャプテンの役割に就任当初は戸惑いもあった。だがチームの中心に立つ苦悩を重ね、年々リーダーとして成長。今季も選手間ミーティングでは前向きな言葉を語り続け、若返りつつあるチームを鼓舞してきた。
なんといっても、文句なしの成績がリーダーとしての存在感を増幅させた。負担の大きいショートを守りながら、主に二番に座って打率.312、40本塁打、94打点。大車輪の活躍で
原辰徳監督も「ぶっちぎりのMVPだと思います」と太鼓判。優勝の一番の立役者となったことは疑いの余地がない。
「僕が前に立って、チームをいい方向に引っ張っていっていかないといけない。そう思わせてくれる選手(仲間)が周りにいたことが、今年の優勝につながったかな」
名実ともにチームの“顔”となった背番号6。常勝軍団のキャプテン、そして大打者へステップアップを遂げたシーズンだった。プロ14年目の来季は、残り116本に迫った通算2000安打の大台が待っている。
写真=BBM