
今季途中に支配下登録を勝ち取ると、一軍戦力に割って入った。来季は開幕から活躍が期待される
今季途中に育成選手から支配下登録を勝ち取った
神戸文也がシーズン終盤のブルペンを支えた。
支配下登録の期限間近、7月25日に登録されると、8月10日の
楽天戦(楽天生命パーク)でプロ初登板。初陣は2/3回を2失点と苦い結果だったが、徐々に安定感を発揮すると僅差の展開で起用されるようになった。19試合の登板で5ホールド、防御率3.86。当初は「一軍の打者はすごい。飛距離は違うし、どの球種も打ち返す力がある」と驚きを隠せなかった右腕が、大きく成長した。
最速151キロの直球とキレのあるフォークが武器だ。テレビ番組で
上原浩治(当時はレッドソックス)が3種類のフォークを投げ分けていることを知り、握りも公開していたため、試しに投げたのがきっかけ。立正大4年時から本格的に使い始め、今ではプロの強打者をも手玉に取っている。
2017年に育成ドラフト3位で入団。同期には今季、勝率第一位を獲得した
山岡泰輔、最優秀防御率の
山本由伸ら一軍戦力の投手を多数輩出した。育成ドラフト同期の
榊原翼、
張奕も支配下登録され「育成で最後の年だと思って悔いのないようにしたい」と覚悟を持って臨んでいた。
今季の年俸は推定440万円だったが、アップが見込まれる。8月28日の
ソフトバンク戦(京都)でプロ初先発も予定されていたが、雨天中止となり、プロ初勝利も持ち越しとなった。大卒から育成選手で3年間を過ごした苦労人が、来季は開幕からフル回転する。
写真=BBM