
若さを武器にアピールする
バッティングはもちろん、判断力が見事だった。2月13日、
日本ハムとの練習試合(名護)にドラフト2位の高卒ルーキー、
黒川史陽が「八番・二塁」で先発出場。8回先頭、カウント1―0で迎えた2球目だった。日本ハムの5番手・鈴木の直球を右翼線へ強打。右翼手の捕球体勢を見ると、緩めかけたスピードをトップに入れ直し一塁を蹴った。猛然とスライディングを決め、二塁を陥れた。
高校通算34本塁打のスラッガーだが、50メートルを6秒2で走破する足もある。「新人らしく元気を出していきたい」と語っていたルーキーが、自身初の実戦でいきなり結果を残した。
チームの高卒新人ではただ1人、キャンプ一軍スタート。力強いバッティングなど、高い潜在能力が指揮官の目に留まった。「どれぐらいの感じでやるのかなというところでは、高卒で想像以上にこんなにできるんだという感想ですね」と三木監督。9日まで沖縄・久米島で行われていた1次キャンプでは指揮官から「MVP」に選出された。
智弁和歌山高では主に二塁手で1年夏から5季連続で甲子園に出場。2年春には準優勝に貢献した。甲子園を沸かせた182センチの大型内野手は、プロになっても存在感を発揮している。初の実戦を終えた高卒ルーキーは「どこでやっても野球は一緒なので。自分のプレーができたと思う」と手応えをにじませた。目標とする浅村の背中を追って、猛アピールを続ける。
写真=BBM