
先発枠に食い込めるか
成長の跡が随所に見えた。2月15日、
ヤクルトとの練習試合(金武)。2番手でマウンドに上がったのが2年目左腕の
弓削隼人だった。2回を1安打無失点。自身初実戦は上々の内容だった。
昨秋から習得に取り組んでいる新球のシュートを、対外試合で初めて投じた。「ヤクルトとの練習試合でも、しっかり左打者に投げられたと思う。だいぶ使えるかなという感覚はある」と確かな手応えをつかんだ。
本来は打たせて取るタイプ。ただ左打者の内角に食い込むシュートを覚えたことで、投球の幅が広がった。「内角に食い込む球があると、(左)打者も嫌だと思う。外に逃げる球も生きてくるし、かなり有利になると思います」。
新人だった昨季は8試合に登板し3勝3敗、防御率3.74。実は昨春のキャンプでは体調不良により、全体練習を休んだ日があった。昨年に続き一軍スタートとなった今年は、しっかりとキャンプを完走。初実戦で好投できたのも、1目の経験が大きい。
「1年目はペースが分からなくて、その日を全力でやっていた。今年は自分のペースでできた。気疲れとかもしないのが大きい」と充実感を漂わせた。
昨季、7試合に先発した左腕は「先発を狙っていきたい気持ちはあります」と意気込む。今季は
ロッテから金銭トレードで涌井が加入。また松井が先発に転向し、先発陣はさらに層が厚くなった。厳しい競争に勝ち残って、開幕ローテ入りを狙う。
写真=BBM