
開幕一軍入りを目指し、アピールを続ける津森
ドラフト3位ルーキー右腕が、日に日に開幕一軍入りに近づいている。3月1日の
阪神戦(PayPayドーム)。2回から登板した
津森宥紀が、初の本拠地でのマウンドで躍動した。サイドスローからの鋭いスライダーで
上本博紀を空振り三振に切ると、2回を三者凡退。3回も相手打線を3人で片付け2イニングを完全投球で終えた。「思ったよりも緊張しなかった。ホームベースまでの距離が近く見えた」。持ち前の強心臓を武器に、またグッと開幕一軍切符を引き寄せた瞬間だった。
春季キャンプ中から、その存在を示し続けた。実戦初登板となった2月17日の紅白戦では、変則サイドスローの武器である胸元をえぐる内角球をあえて封印。
バレンティンにオール直球勝負を挑み、中飛に仕留めた。20日の紅白戦でも1回で2奪三振。さらに初の対外試合登板となった26日の
ロッテとの練習試合では、代わりばなで連打を浴びながら三者連続三振でピンチを切り抜け、強烈なインパクトを与えた。
その結果と内容に、首脳陣の期待は高まるばかりだ。
工藤公康監督は「打者が立ったときのほうがブルペンより球も力強いし、制球もいい。打者がいるほうが力を発揮する」と、実戦での強さを高評価。ただでさえチームにいない変則サイドスローの存在価値は高く、昨季チームトップの65試合に登板した
甲斐野央が右ヒジ痛で離脱している中、開幕一軍入りどころか、いきなり重要なポジションを任せられる可能性も小さくない。
写真=湯浅芳昭