唯一無二のユニークなキャラクターは、着実に開幕一軍へ存在感を高めている。鈴木健矢のトレードマークはサングラス。ユニフォームを着ているときは必ず着用している。もちろん登板しているときも。屋外、屋内、昼も夜も問わない。実は度入りのメガネで、周囲の明るさに合わせて濃淡が変化する調光レンズ。「最初は迷いましたけど、そのまま行こうと決めました」。
プロ入り前の昨年8月から使用している。両目の視力は0.3で、それまではコンタクトレンズを使用してきたが「すぐに乾燥してきて、つらかった」と難点があった。登板中に捕手のサインが見えづらくなったり、集中力が途切れたりとプレーにも支障が出ていた。そこで、デーゲームでもナイターでも併用できる一石二鳥の度入りサングラスの導入を決意した。
見た目の変身はそれだけではなかった。同時期にフォームも修正。きっかけは
ロッテのドラフト1位、
佐々木朗希だ。「自分も左足を高く上げることを意識し始めたら、結果も出るようになった。周りからも(佐々木と)似ているね、と言われるようになった」。
鈴木健は投球動作の初動で、左足が左ヒジに当たる。右足1本にためたパワーをスムーズに沈み込みながら前傾させて、ダイナミックにサイドから放る。スピードと威圧感が増した。直球とスライダーが主な球種だが、サングラスで隠すポーカーフェースと独特なフォームが組み合わさって、打者には打ちづらさを感じさせる。
ルーキーイヤーに掲げる目標は「中継ぎで60試合登板」。サングラスを取ればベビーフェースの持ち主だが、闘争心は満点。臆せずに自分の武器を最大限に生かして1年目からフル回転の活躍を目指す。
写真=BBM