
頼もしいベテランだ
去る2月8日。久米島キャンプで初めて二軍を視察した三木監督が、満足そうに笑っていた。その視線の先には、ブルペンで黙々と投球練習を続ける
青山浩二がいた。
8月で37歳を迎えるベテラン右腕が同キャンプでブルペン入りしたのは5回目のこと。捕手を座らせ101球を投げ込んだ青山を見守った指揮官は「元気そうで良かったよ」と、目を細めた。
プロ14年目の昨シーズンは自己最多となる62試合に登板し2勝4敗、防御率2.70をマーク。ベテランらしい投球術で相手を幻惑した。鉄腕と同様、その闘志は衰えていない。
昨季、最多セーブのタイトルを獲得した松井が今季は先発に転向した。「牧田(
牧田和久)も入ったし中継ぎ陣は充実していると思う。だけど、松井が抜ける穴は相当でかい。そこをみんなでカバーしていきたい」と力を込める。
昨季はどんな状況でも荒れたマウンドで腕を振った。今季もチームのために全力を尽くす決意に変わりはない。目標を問われると「どこに合わせていくのかは分からない。でも理想は(守護神を)みんなで奪い合うこと。僕もそこに加わりたい。そこで何が必要かを考えながら、もっと前に進んでいきたい」とさらなる進化を誓った。
今季実戦初登板となった2月21日の日本新薬との練習試合(日向)では2番手で登板。1回を1安打無失点に抑えた。「ケガもなく、順調にきている」と仕上がりに自信をのぞかせた。昨季まで2年連続で50試合以上に登板したベテラン右腕が、今季も中継ぎ陣に欠かせない存在となれるか。
写真=BBM