
中継ぎに転向し、昨季の教訓を今季に生かすつもりだ
黙々とひたすら投げ続ける。勝っても、負けても。先発でも、リリーフでも。それが生え抜きのベテラン・
能見篤史だ。
開幕までの遠いロードマップにも「ただ開幕っていうだけではいけないと思う。何かを感じとっていかないと」と前を見据えている。
阪神一筋、常に投手陣を支えてきた男として、プロとして、いざ開幕すればファンに訴えていく必要があると十分に自覚しているようだった。
本人が「不完全燃焼だった」と振り返った昨季は、シーズンを通して中継ぎとして51試合に登板し、防御率4.30の成績に終わった。
「自分が思い描いたとおりに体が動かなかった。先発と同じように投げ込まないといけないと思いましたね」
先発から中継ぎに転向したことで、投げ込みを行う機会を減らしたことが不本意な結果に終わった、その失敗を冷静に受け止め、今季に臨んでいる。
今春キャンプ終盤で左足の張りを訴えたことはあったが、その後は実戦マウンドに上がって順調にきていた。
開幕日が決まれば「そこから逆算してどんどん追い込んでいきたい」と、その日に備えて万全の仕上がりを目指していく。
満40歳以上で50試合以上の登板は、42歳の
中日岩瀬が17年に50試合を投げた例がある。2年連続となれば史上初だ。
能見は「その日を待ちながら1日1日を大切にしていきたい」と開幕から好スタートを切る青写真を描いている。
写真=球団提供