
来日2年目を迎えた王柏融。打線のキーマンの1人になりそうだ
新任の
小笠原道大ヘッドコーチ兼打撃コーチとの出会いも大きかった。2月の沖縄・名護キャンプでは「手応えがあります」と来日2年目を迎えた王柏融が笑顔を見せた。同コーチからのアドバイスは「良いときのスイングを取り戻そう」。シンプルで分かりやすい方向性を打ち出してもらい、強く力強いスイングを取り戻していった。
昨季のプレー映像だけでなく、台湾時代もチェックした同コーチはまずは原点回帰を王に求めた。「向こう(台湾)でやっていたことが認められて
日本ハムが獲ったわけでしょ? まずはそれができるようにしましょうという話」。来日1年目は相次ぐ故障にも見舞われ、日本の投手への対応も苦慮した。知らず知らずのうちにスイングはコンパクトになり、台湾時代に評価された大きなフォロースルーを失っていることを指摘。早速改善に乗り出した。
王自身もオフの自主トレで修正に取り組んできた部分で、課題をすぐに共有できたことも大きかった。練習試合再開後も積極的にスイングしていくことを両者で確認。随所に本塁打も飛び出すなど、技術と意識の向上は顕著。昨季は88試合出場で打率.255、35打点、3本塁打と満足した結果は残らなかったが、大幅に上回る準備は整った。
コンディションさえ維持できれば、クリーンアップを任せられるだけの力は十分ある。気を付けたいのは故障だけ。コロナ禍による変則的な過密日程のシーズン。同じ左の強打者のレジェンドとの運命的な出会いをきっかけに、万全の状態でシーズンを完走して本領発揮の1年としたい。
写真=BBM