
今季も安定した守備力を発揮している辰己
昨季、チームは2年ぶりにクライマックスシリーズ進出を果たした。何度も美技でチームを救ったのが
辰己涼介だ。彼の守備なくして、CS進出は果たせなかっただろう。
数ある美技の中から、あえて一つ選ぶなら6月12日の
ヤクルト戦(
楽天生命パーク)だ。1点リードで迎えた5回。マウンド上は久保で、打者は山田哲。背番号7(当時)は全速力で打球の落下点へ駆けると、体を宙に投げ出した。伸ばしたグラブの先に、間一髪で白球が吸い込まれる。右中間を破るかに見えた打球を、ダイビングキャッチしたのだ。
ここぞの場面で、自慢の身体能力が光った。試合は7対4で勝利。当時、指揮を執っていた平石監督も「あれは大きかった。ビッグプレー」と手放しで称えていた。
兵庫・社高時代には投手経験もある。遠投125メートルの強肩も武器だ。7月4日の
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では、1点ビハインドで迎えた4回二死一塁。塚田の浅い中堅への単打をつかむと、三塁までノーバウンド送球。果敢に三塁を狙った一塁走者の
グラシアルを刺した。
三木監督は「捕球や落下地点までのスピード。辰己の能力を生かした守備は高いものはある」とその能力を認めた上で「もっともっとできるようになってほしい」とさらなる成長を期待した。
指揮官が課題の一つに挙げるのが守備位置だ。「ポジショニングはベストだったのか。どこに守るのか、ということは話をしている」(三木監督)。的確なポジショニングを学べば、まさに鬼に金棒。中堅の守備はさらに鉄壁となる。
写真=BBM