
9月は月間打率.395とエンジン再点火。さらに月間7盗塁と塁上でも勢いが止まらない
復活の証明はバットだけではない。シーズン開幕から
DeNAのリードオフマンとして起用され、レギュラーに返り咲いた
梶谷隆幸がパワーとスピードを兼ね備えた本来のプレーを見せている。
一時の不調を乗り越えて打率を3割台に再び乗せ、本塁打も14と3年ぶり2ケタをすでにクリア。13盗塁(9月23日時点)もチームトップだ。
ラミレス監督が開幕当初に「今季はかなりの確率で20―20を達成するはず」と見込んだ通り、2017年にベイスターズでは、39年ぶりにマークした20本塁打、20盗塁を再び狙える位置に付けている。
長距離砲の二番打者起用や早打ちのチーム戦略もあって盗塁数は伸びにくい状況にあるが、梶谷の足が重量打線に勢いを生んでいる。7月11日の
阪神戦(甲子園)では1点を追う9回に
藤川球児から四球を選んで出塁。続く
桑原将志の中前への当たりで迷わず三塁を狙うと、これが阪神の中堅手・
植田海の失策を誘って一気に同点のホームに帰ってきた。流れをつかんだ攻撃はソトの勝ち越し2ランへとつながり、鬼門の甲子園での逆転勝ちを呼び込んだ。
ラミレス監督が試合後、勝利の一因に梶谷の走塁を挙げたほどで「あそこは彼であるべきランナー。あのタイミングであそこ(一塁)に彼がいた。素晴らしい走塁だった」と手放しで称賛した。
チームは四番・佐野が覚醒し、ケガのため離脱していた
オースティンも9月12日の
中日戦(横浜)で復帰して即3ランを放った。首位
巨人の背は遠いが、浮上の陣容は整いつつある。梶谷の躍動感あふれるプレーがチームに上昇気流を生むはずだ。
写真=早浪章弘