
チームが勝てないため、クローザーとして9回のマウンドに上がる機会が少ない
悔しさを晴らすかのように、
石山泰稚は9回のマウンドに立ち続けている。8年目の今季は、開幕前に日米通算313セーブを誇る
高津臣吾監督から守護神に任命された。10月8日現在で33試合に登板し、3勝2敗、15セーブ、防御率2.70と安定した成績を残している。
「責任重大ですし、自分でもやりたかったポジション。なんとしても手放さないように、信頼を得られるようにと思ってやっています」
昨季は思うような成績を残せず、不本意な1年だった。インフルエンザに罹患するなど、一年間抑えのポジションを守ることができず、34試合で2勝2敗10セーブ、防御率2.73。2018年に71試合に登板し35セーブを挙げた右腕は、長い二軍暮らしを余儀なくされた。
「一昨年あれだけ一年間しっかりできたのに、昨年が全然貢献できなかったので、続ける難しさというのをすごく実感しました」
オフシーズンの自主トレーニングでは、基礎体力を上げるメニューを行い、肉体面を強化。シーズンをフルで戦う体に仕上げてきた。
絶対的なクローザーだが、今季はイニングをまたいで登板するなど、指揮官の多様な起用法に結果で応えている。9月20日の
広島戦(神宮)では、2点差に迫られた9回二死一塁からマウンドに上がり、1安打は許したが、無失点で切り抜けて“火消し”に成功。高津監督も「リリーフに関しても次へ、次へ、石山へなんとか(つないで)という気持ちは出ている気はします」と厚い信頼を口にした。
「とにかくチームが1点でも多く(リードして)勝てばいいという考えです」と石山。見事に復活した守護神が、これからも勝利を締めくくる。
写真=BBM