自慢の声で存在感を示す。大下誠一郎が着実に経験を積んできた。2019年の育成ドラフト6位でオリックスに入団。1年目の今季は二軍で結果を残し、9月14日に支配下選手登録された。
「やっとスタートラインに立てたと感じています。ここまで毎日が勝負のつもりで、1日1日必死にプレーしてきました。これからも変わることなく、人一倍声を出してチームを盛り上げていきたいと思います。持ち味でもあるフルスイングと勝負強さをアピールし、レギュラーに定着できるように頑張っていきます」
中嶋聡監督代行は二軍監督時代に「元気もあるし、使いたくなる選手。やることは、まだまだいっぱいありますけど、打つほうはだいぶ上がってきた。そうなると、次は守備、走塁が課題になる。まだ、これから試合に出て、学んでくれれば」と評価していた。
大下は守備位置の登録は外野手だが、一塁と三塁も守れる。動きもスムーズで、正確なスローイングにも定評がある。
衝撃デビューも飾った。9月15日の
楽天戦(ほっと神戸)では、プロ入り初打席で本塁打。育成ドラフト出身者では、史上初の快挙でファンに名前を植え付けた。背番号40の存在感は日に日に増している。本拠地での歓声が、どんどん大きくなる。
『つっぱることが男の~、たった一つの勲章~』
登場テーマ曲は嶋大輔の『男の勲章』を選んだ。「自分らしいなと思ったんで」。オールドファンも喜ばせる22歳。ノドのケアは中嶋監督代行の気遣いで潤す。
「いつもベンチで監督にもらうんです。声が裏返ると『あめ食え』って。ずっとファームのときから変わらず。声が裏返ったら気遣いをしてくれる。最高ッスね……」
かれた声は、勝利への勲章だ。
写真=BBM