
今季2位に入ったチームで、中盤戦でのサンズの打撃によるところもあったのは間違いない。来季もその打棒が見られるはずだ
温厚なジェリー・サンズが突然ひょう変したのは、10月24日の
巨人戦(東京ドーム)だった。8回の打席で球審が下した判定を珍しく不服とし、暴言を吐いたことで侮辱行為となり来日初となる退場処分を受けた。
開幕二軍スタートだったサンズに他球団はノーマークも同然だった。だが一軍の舞台に上がって再三チームを勝利に導く勝負強さをみせようになると相手バッテリーから内外角へと厳しい揺さぶりが続くようになっていった。
シーズン終盤にきてイラつく場面が多いサンズだが、それまでは打ちまくった。一軍昇格した6月27日
DeNA戦(横浜)は衝撃デビューを果たした。
9回に山崎のツーシームを打ち砕いての来日1号になる逆転3ランを放ったのだ。「六番打者」は8月下旬から「四番」に固定されるまでになった。
「事前の準備で毎回考えることを心掛けているが、基本的には自分のバッティングをすることを心掛けている」
3試合連続本塁打などインパクトのある打撃、左翼守備でのハッスルプレーは好感がもてた。
ボーアとともに2ケタ本塁打を簡単にクリアしてみせて、まさに助っ人パワーが発揮された。
今季のリーグ2位が確定したが、一時セ・リーグトップの得点圏打率を示したサンズのパフォーマンスが大きかったのは間違いなかった。
その後も、8月、9月と結果を残してきたが10月は25試合で1本塁打に打率.205と突然のペースダウンになってしまった。来季は若トラ抜擢で外野の陣容は様変わりが予想されるが、助っ人サンズのあの打棒がもう一度見られるはずだ。