
先発ローテの一角として存在感を発揮した上沢
1年前の誓いを果たすように華麗な復活を遂げた。昨オフの契約更改後の会見。「100万円ダウンなんですけど、来年取り返せるようにインセンティブはしっかりつけてもらいました」。当時は左膝蓋骨骨折の大ケガを負い、リハビリ過程にあったが減俸は最小限。今シーズンはチームトップタイの8勝をマークして球団の、そしてファンの期待に応えたシーズンだった。
投げるごとに、頼もしさがよみがえった。6月30日の
ソフトバンク戦(札幌ドーム)で378日ぶりに先発。5回1失点でまとめ、その後の2登板は中13日と余裕を持った登板感覚を保ったが、4試合目の8月4日の
西武戦(札幌ドーム)からは12週連続で、6連戦または3連戦の初戦となる火曜日の先発を任された。
今季は15試合に登板。規定投球回に及ばなかったものの、チームでは
有原航平、
バーヘイゲンに続く97イニングを投げた。8勝6敗、防御率3.06で一時は最多勝や最優秀防御率すら狙えるほどの勢いもあった。病み上がりとは思えない活躍も、本人は「疲れがたまっていくのが早いなということは感じました」とシーズン終盤はやや失速したが、カバーできる投球術も持ち合わせているのはさすがだった。
今オフはエースの有原がポスティングでのメジャー移籍を希望している。もちろんチームとしては大きな穴となるが、上沢なら埋められる。「もっと良くなれる可能性は持っている」と伸びしろも実感。推定年俸6000万円からのアップは確実で、名実とも真のエースとして期待がかかるような金額での契約更改となりそうだ。
写真=BBM