
南郷キャンプの打ち上げ日には辻監督から野手MVPにも選ばれた山野辺
昨季53試合と出場機会を増やしたものの、2019年のプロ1年目から抱えている守備における「捕球時の足の使い方」の課題は、自身の中で完全には解決できなかったという。しかし、シーズン後に参加したフェ
ニックス・リーグで内野ノックを受けている中で、徐々に感覚がつかめてきたことを実感。さらに、その後の自主トレで、
田中広輔(
広島)、
中村奨吾(
ロッテ)など、実績ある内野の名手たちからアドバイスを受けたことで、常々
辻発彦監督やコーチから指摘されてきた「右足でボールをとらえて捕球態勢に入る」というポイントが、自身の中できちんと腑に落ちた。
「去年は、代走だけで終わる試合も多かったので、代走で出たあと、守備でも使ってもらえるようになって、もっと試合に出たい」。改善をアピールし、守備で信頼を勝ち取りたい。
また、出場機会を増やすためのもう1つの方法として、昨秋から外野守備にも挑戦している。「人生で初めて」のチャレンジだが、
外崎修汰、
スパンジェンバーグなど、レギュラー選手にも内外野ともハイレベルで守れる万能選手がそろっているだけに、起用の選択肢を広げておくことは、自身のためにも、またチームのためにも必要と言えよう。
打撃面では昨季、主力打者の不調から得点力が激減したことから、「1点を取りにいく戦い方」の重要性を、チームとしてあらためて見つめ直した。その中で、「チーム打撃をきちんとできる選手」を自ら3年目のテーマに掲げる。
指揮官は、今季チームに「競争意識」をこれまで以上に強く求めている。本職の二塁には昨季ゴールデン・グラブ賞を受賞した外崎がどっしりと君臨する中、「攻守走」で成長を示し、危機感を抱かせることができるか。大いに注目したい。
写真=BBM