
12日の楽天戦では田中将大から本塁打を放ち、チーム5連勝に貢献した佐藤輝
黄金ルーキーの
佐藤輝明が少年少女たちに夢を与えている。「自分を見て子どもたちが野球を始めてくれたらいいですね」。プロ入りが決まった直後の佐藤輝はそう語っていた。
4球団が競合の末、
阪神入りした佐藤輝は、期待どおりのパフォーマンスを続けている。阪神のおひざ元の兵庫県西宮市で育った男は、まさに「夢を売る商売」を地でいくルーキーだ。
小学時代に所属していた「甲東ブルーサンダーズ」では4年生から捕手をしていた。小6の公式戦では23本塁打を記録している。その長打力は仁川学院高、近大で培われ、プロ1年目で一気に開花したのだ。
高校時代は無名で、3年夏の兵庫県大会は1回戦負け。それが5月28日
西武戦(メットライフ)であの
長嶋茂雄(
巨人)以来、新人63年ぶりの1試合3本塁打を放つのだからすさまじい。
交流戦でも相変わらず三振数を積み重ねているが、当たったときの飛距離は怪物級。本拠で打たれた西武の
辻発彦監督に「それにしてもすごい新人だ」と言わしめたほどのケタ外れぶりだ。
大山悠輔が背中の張りで不在の間は「四番」も務めた。熱狂的なファンで知られる人気球団だが「全然プレッシャーは感じず、力に変えられる」と自分のプレースタイルを崩さない。
佐藤輝は「甲子園の浜風に負けない強い打球を打ちたい」と左打者泣かせの球場は関係ないと力を込める。ファンの後押しも受けながら首位のチームを加速させる。
写真=BBM