
レギュラーに定着した今季、プロ7年目で大ブレークを果たした
どん底からはい上がり、目の前に転がってきたチャンスをものにした。7年目の
高濱祐仁が一気にブレークを果たした。起点となったのは今季初出場となった4月11日
オリックス戦(京セラドーム大阪)でのプロ初本塁打。「やっと出たって感じです」。横浜高時代から将来を嘱望されていたスラッガーの本領がついに発揮された瞬間だった。
チーム状況も高濱のブレークを後押しした。開幕直後から一塁のレギュラーだった
中田翔が不調でスタメンに名を連ねる機会が徐々に増えた。6月に中田が故障離脱後は一塁のレギュラー格となり、他の選手にポジションを譲ることはなかった。10月26日時点で105試合に出場。打率.261、8本塁打、42打点。いずれもキャリアハイだ。
2年前の2019年オフには支配下選手として戦力外通告を受け、育成選手として再出発していた。潜在能力がありながら、開花できない状況を球団が分かりやすい立場に置き換えて本人の発奮を促した。効果は抜群。そのタイミングで結婚もし、新たに芽生えた自覚もあって昨季は二軍で結果を残し、シーズン途中で支配下へ復帰。戦力としてよみがえった。
印象的な活躍も多かった。6月5日の
巨人戦(東京ドーム)では代打満塁本塁打。7月6日の
西武戦(旭川)では開幕から無失点を続けていた
平良海馬からサヨナラ打。6月19日
ソフトバンク戦(PayPayドーム)では高校時代から同僚の
淺間大基とプロ初のアベック本塁打も記録した。やっと出た大器の片鱗。主軸へ成長する起点としてくれるはずだ。
写真=BBM