
先発ローテを崩さず10勝を挙げ、終盤にはリリーフ起用もされるなど矢野監督の信頼も得たルーキーイヤーだった
1年前の入団会見でルーキーの
伊藤将司は「即戦力と期待されているので2ケタは勝ちたい」と自らに言い聞かせるかのように宣言していた。
その言葉どおり1年目から23試合に登板し、10勝7敗でノルマを達成した。新人王レースにも絡んでくるとは予想されるが、ともに注目されているのは年俸の昇給幅だ。
球団新人投手で2ケタ勝利は2013年、
藤浪晋太郎の10勝6敗、防御率2.75以来のこと。新人サウスポーに限れば、1967年の
江夏豊以来の快挙だった。
藤浪のケースは1500万円から3000万円増の4500万円で更改している(推定)。当時の藤浪本人は「成績以上の評価をしてもらった」と納得していた。
伊藤はシーズンを通して先発ローテーションを守り抜いた。社会人出身の即戦力として指名されたが、当初リリーフ構想もあっただけに、先発としてフルで働いた評価は高い。
「良いときも、悪いときもありましたが、自分のスタイルを崩さないようにと思って投げてきました」
本人は横浜高の先輩にあたる
中日の
柳裕也をリスペクトしている投手に挙げていた。規定投球回数には足りなかったが、防御率2.44は柳の2.20に次ぐ隠れ2位だ。
終盤はリリーフで起用されるなど、優勝争いをしたチームに大きく貢献。1300万円からチームトップクラスの昇給幅で3倍増は確実とみられる。来シーズンに向けた抱負のコメントも興味深い。