
今季は9本塁打とパンチ力をアピールしたが出塁率.263は物足りない
プロ1年目の昨季は5試合の一軍出場に終わった
岸潤一郎だったが、今季は状況が一転した。春季キャンプでA班に帯同すると開幕も一軍でスタートする。結果が出ず、4月中旬からファーム行きとなったが、5月28日に「コロナ特例」で再び一軍昇格の機会を得ると、昇格後初スタメンとなった6月1日の
巨人戦(東京ドーム)、3打席目でプロ初安打となる初本塁打を記録。その次の打席でも安打を放ち、アピールに成功した。そして、その日を機に先発メンバーに定着し、シーズン終了まで主戦力の一人としてチームに貢献した。
最終的に100試合出場したが「自信になった」という半面、打率.220という成績は決して満足いくものではなかった。「どうしたら率が残せるか」を今オフの最低テーマに掲げ、秋季キャンプから
高山久打撃コーチらと打撃改善に取り組んだ。「追い込まれるまでは今までどおり、追い込まれてからは逆方向など場面に応じて打席の中で変えていけるようにしたい」。
また、「守備面でも今年は本当に不安定だったので、安定感を高めたい」と守備力アップの必要性も痛感している。
辻発彦監督は「今季は、試合にずっと出ていたからといってレギュラーなんて一人もいない。来季は本当に競争だ」と断言する。当然、岸自身も外野レギュラー争いがさらに熾烈となることは覚悟している。
チーム最大の懸案事項である「打順一、二番問題」の解決のためにも、岸には期待がかかる。「打率はもちろん、出塁率も自分には大事になってくる」。攻守走すべての要素での1ランクレベルアップを強く胸に誓う。
写真=BBM