
最下位の屈辱をバネに飛躍のシーズンとしたい。もう言い訳はできない
2021年こそ本領発揮となるか。
DeNA球団初の生え抜きスター選手として就任した
三浦大輔監督の1年目はセ・リーグ最下位に終わった。22年に向けてはともに1998年の日本一を経験した
石井琢朗氏、
鈴木尚典氏、
斎藤隆氏らのレジェンドを首脳陣に加え、
日本ハムから
大田泰示も獲得。フロントのバックアップを受けながら、2年目の指揮官がどんな独自色を打ち出すかが注目される。
走塁面の改善や、若い
森敬斗の一本立ちなど、来季に抱えるテーマは多い。だが、浮上のカギは投手陣の再建と言っていい。今季は期待を裏切った
石田健大、
上茶谷大河らを復調に導くのは、投手コーチとしても彼らを指導した三浦監督の仕事だ。そこにドラフト1位で未勝利に終わった
入江大生らが加われば、投手力は優勝した
ヤクルト以上と言える。
雪辱のシーズンに向けては「どうやり返すか。コンディションニングの部分なのか、技術的な部分なのか。そこはコーチを使ったり、スコアラーの方から情報を得て対策を立てたり。言葉は悪いけど、周りを利用して、どうしたら結果を出すかをやっていかないと」と意識改革の必要性を説く。“横浜一心”をスローガンに掲げた指揮官の根底は変わらない。あくまでチーム全体が結束し、組織の底上げで勝つ方針を貫く。
現役時代は帽子のつばに「Hit it If you can」(打てるものなら打ってみろ)と書き込んだ。「ナニクソと思える人は、打たれても心を折られない。心が折れなければ、またマウンドに上がれる」。心の内は雪辱の炎で燃えている。
写真=YDB