
プロ10年目は不本意なシーズンに終わったが、終盤の結果には今季への手応えもあった
長女誕生を発奮材料にする。
松本剛は昨年10月にパパとなった。球団リリースに記されたコメントには「まずは元気な赤ちゃんを産んでくれた妻に一番感謝したいです。そして、赤ちゃんが元気に生まれてきてくれたことに感動しました。ほっとした気持ちが強いですし、より一層頑張ろうという気持ちになりました」と記してあった。
プロ10年目の昨季は不本意なシーズンに終わった。初めて開幕スタメンを勝ち取ったが、4月中旬に出場選手登録を抹消されると、9月まで二軍生活が続いた。再昇格した9月こそ34打数14安打で打率.412と気を吐いたが、一軍では47試合出場にとどまり、じくじたる思いを抱えている中で、新たな家族が増え、巻き返しへの思いも強くなった。
昨年の契約更改後の記者会見では、一家の大黒柱としての自覚を口にした。「僕が働かないと家族に迷惑をかけてしまう」。家では育児にも積極参加。「男って何にもできないんだなっていうのを改めて感じました」と悪戦苦闘もしながら、新たなモチベーションもできた。
「生まれて最初に思ったのが、野球をやっているといつになったら分かってくれるかなと。5歳くらいになったら理解するのかなと思う。最低そこまでは頑張りたい」
一軍での出番に恵まれず、苦しんだ昨季も終盤の数字と結果には手応えがあった。「いいイメージで終われた。監督も新しくなったし、横一線ということを仰っていたので、結果で、数字で示すしかない」。家族のために、必ず飛躍する。
写真=BBM