
プレーで、姿勢で、チームをけん引する源田
「何よりも悔しいし、情けないという気持ちだった」
昨季、チームとして42年ぶりの最下位に沈んだ屈辱を、誰よりも重く受け止めていたのがキャプテンの
源田壮亮だった。主将就任3年目を迎える今年こそ、必ずやリベンジを果たし、優勝報告会見でスピーチをしてみせる。
決して力強い言葉や態度で引っ張るタイプではない。だが、持ち前の親しみやすい人柄で若手から先輩まで誰とでも打ち解け、日々の何気ないタイミングでそれぞれとコミュニケーションを図っている。試合中もマウンド上で投手が冷静さを失いそうと見るや、率先して声を掛け、勇気づけに行く。そんな人間性にチームメートからの信頼は厚く、主将としての求心力は抜群だ。
そんな源田が今季強く目標に掲げているのが、打撃でのチーム貢献だ。1年目の2017年から昨季まで5年連続で打率2割7分台と決して悪いわけではない。だが、毎年「2割8分の壁を超えたい」と目指してきたが、達成できなかった。そこで今季は目先を変え、「170安打」を目標に設定した。「
松井稼頭央ヘッドも毎年170安打を目標にやっていたと話してくださいました。僕も、毎打席上下する打率を求めるより、増えていく安打数を目指したいなと思って」。自己最多は165本。その数字を上回り、キャリアハイの成績でチームの優勝に貢献したい考えだ。
昨季、セ・パ両リーグとも前年の最下位チームが優勝した現実に大きな勇気をもらった。「絶対に僕らにもできる」。『Cマーク』に懸け、仲間を信じ、静かに、だが誰よりも熱く源田の心は燃えている。
写真=BBM