
交流戦好調の阪神でリリーフ陣も安定しているのが大きいが、湯浅の好投もその要因となっているのは間違いない
新セットアッパーのポジションを固めたのは湯浅京巳だ。開幕から交流戦に突入するまで19試合に登板し、失点したのは1試合だけだった。
矢野燿大監督もセ・リーグ相手に防御率0.98の安定感を示した右腕に「素晴らしい。経験を積んで成長しくれている」とこの台頭を喜んだ。
湯浅が失点したのは、4月12日の
中日戦(バンテリン)。先発・
西勇輝の後を受けた1点リードの8回に逆転を許して勝負の厳しさを痛感した。
それでも「自分のパフォーマンスを継続しながらチームに貢献したい」と若虎らしい恐れを知らない投げっぷりで相手打者に向かっている。
聖光学院高からBCL富山を経てドラフト6位で2019年阪神入り。独立リーグから1年のみで、NPBから指名されたことでも注目された。
本人は高卒1年目で四国IL・徳島から
西武入りした
伊藤翔の姿を描いた。腰椎疲労骨折など時間はかかったが、4年目にして開花した。
「1試合1試合やることは変わらない。出番があればゼロで抑えたい。数字は後からついてくるものですから」
交流戦スタートとなった5月24日の
楽天戦(甲子園)は、1対0の状態で、7回を0に抑えた
アルカンタラからバトンを受け、しっかりと無失点に抑え、リリーバーの
岩崎優につないだ。現在はリフレッシュのため登録抹消中だが、これから先「8回の男」の躍動がチーム浮上の足がかりになるかもしれない。
写真=BBM