開幕から打線が思うように機能しない中で、6月に新戦力として補強したのが、メジャー通算155セーブを誇り、2019年にMLBで最多セーブのタイトルを獲得した
ロベルト・オスナだった。
打者を補強して得点力アップを狙うのではなく、ブルペンの厚みを増すことを選択したのは意外にも感じたが、大きな得点力を見込めないならば、少ない得点をしっかりと守り切ろうという逆転の発想といえた。
150キロ中盤の直球は回転がきれいで、スピンがよく効いている。カットボール、チェンアップに投球フォームでも打者のタイミングを外そうとするクレバーさも備える。
7月19日の
西武戦(ZOZOマリン)では9回のマウンドに上がり、来日初セーブもマークした。チームには絶対的守護神・
益田直也がいるが、この日は疲労を考慮し、ベンチから外していた。
首脳陣が「勝負の秋」を見据え、リリーフ陣の連投過多を控えようとする工夫だった。そんな中で、オスナは「最後のイニングを任されるのは特別。勝利に貢献したい」と志願して3連投のマウンドに上がった。
19年にアストロズで38セーブを挙げて、ア・リーグ最多セーブに輝いたメジャー屈指のクローザー。混戦パ・リーグを戦う井口監督が「3連投でもいいから投げたいと直訴してくれた」と喜ぶのも当然だった。
昨季と今季初めはメキシカン・リーグでプレー。メジャー時代に痛めた右ヒジの状態も回復している。「自分は優勝するためにここに来ている」。実力、実績と申し分ない新助っ人の加入で、リリーフ陣は厳しい夏も乗り越えられそうだ。
写真=BBM