
高卒2年目の来季、飛躍することを誓う小園
小園健太は厳しく自己採点した。
「バランスを意識した中だったんですけど、自分としても(ボールを)引っかけた部分はあった。まだまだかな、という風に思いました」
秋季練習中の11月16日、ライブBP(実戦形式の打撃練習)に登板。課題は明らかだった。安打性は4本にとどめたが、55球のうち25球がボール球。収穫を問われても「あまりないんですけど……。直球でファウルを取れたのは、まだマシかなと思います」と表情は晴れなかった。
「チームを背負えるようなエースになりたい。球界を代表する投手になりたい」と、ちょうど1年前に決意表明した。市和歌山高からドラフト1位で指名され、背番号は半永久欠番扱いだった「18」。
三浦大輔監督のエースナンバーを受け継いだ。
2月のキャンプは一軍スタート。3月からはファームに移り、体づくりに重きを置いた。最速152キロ。可能性の塊のような右腕は、8月4日のイースタン・
楽天戦(横須賀)でデビューした。1回を完全投球。新型コロナウイルス陽性による離脱もあり、ファームでは3試合に登板し、計4回2/3を1失点だった。
市和歌山高でバッテリーを組んだ
ロッテ・松川虎大のように、プロ1年目から一軍の舞台には立てなかった。しかし段階を踏み、着実に前進していることも確かだ。「一軍で勝つために、今やっている最中です」と期待を込めたのが三浦監督。小園本人も「一軍の戦力になることを目標にやっている」と来季を見据えた。チームでは、
大貫晋一に続く先発右腕が不足している。技量を磨き、堂々と勝負する。
写真=BBM