昨季最下位に沈んだ
中日の目標は得点力アップに尽きる。昨季リーグ最低414得点は、首位
ヤクルトの619得点から200点以上離された。キャンプでまず、打球速アップへの取り組みが行われた。
アプローチは当然、複数ある。スイングのスロー動画撮影による各選手のイメージと現実のバット軌道の誤差の把握。
和田一浩新打撃コーチがテニスラケットを持参して選手に振らせた。
右脚に力をため、バットの面を使えるように矯正。連日、全体練習後に長距離砲として期待される
鵜飼航丞や
細川成也らが取り組んだ。
立浪和義監督が期待を掛けるのは、右の長距離砲として鵜飼、細川とともに新助っ人の
アキーノだ。第1クール最終日となった2月5日のシート打撃では左腕・
橋本侑樹のスライダーをアグレスタジアム北谷のバックスクリーン左へ放り込んだ。
指揮官は「もう少し(インパクトの瞬間にボールと体との)距離が取れれば。本人も分かっていて、一生懸命練習取り組んでいる。まだまだ良くなる」。主砲
ビシエドは昨季わずか14本塁打。メジャー41発のアキーノの長打は欠かせない。
もう一人、立浪監督が「非常に期待してる。チームを引っ張っている」と語るのが
高橋周平だ。同じく5日のシート打撃では
鈴木博志から中越え二塁打を放った。
昨季までの前へ突っ込むスイングとは真逆のアプローチを施した。前へ行くはもう、我慢しない。いったん行った体重を捕手寄りへ移すイメージで振っている。
新助っ人に加え、指揮官の背負った背番号3の系譜をたどる高橋周が打てば、竜は必ず昇るはずだ。
写真=BBM