
四番としてもチームをけん引する岡本和
ニューリーダーは、一回りも二回りも大きくなって帰ってきた。
岡本和真は侍ジャパンの正一塁手として、第5回WBCで決勝でのソロを含む2本塁打を放つなど躍動し、世界一奪還に貢献した。夢の舞台で栄誉を手にした26歳は、チームで主将の重責を背負う。
「僕のほうをみんな見ると思う。全員で優勝を目指してやっていきたい」
昨季、5年連続30本塁打をマークしたプロ9年目の大砲は昨季終了後、
原辰徳監督から8年間主将を務めた
坂本勇人のあとを継ぐ「
巨人軍第20代主将」に指名された。
春季キャンプ初日、「所信表明」となった囲み取材では、主将としての理想像を「ないです。だって、やったことないですもん」。若手に求めることを聞かれると「偉そうなこと言えませんよ」と、軽妙な受け答えで笑いを誘った。締めるところは締めるが、時に「ゆるさ」も感じさせる。それが岡本流のキャプテンシーだ。
優しい性格で先輩、後輩問わず慕われ、グラウンドでは勝負強い打撃でチームを引っ張る。博識な一面も持ち、原監督は「ボキャブラリーの多さはすごく高いものを持っているから、伸び伸びとやってほしい」と信頼を寄せる。
春季キャンプでは「野球をやる上では何も変わりはない」と言いつつも、大きな声で練習を盛り上げるなど主将の自覚がにじんでいた。3年ぶりのリーグV奪回へ、岡本和がチームの先頭に立つ。
写真=BBM