意地を見せる。2014年ドラフト1位で巨人に入団した小林誠司は、今季で11年目。昨季、ベンチを温める立場に甘んじた強肩捕手は、「自分自身、このままではダメだと重々承知しているので、何か変わったなと思われるように。体も心も強くなれるように頑張りたい」と悔しさを胸にオフを過ごしている。
契約更改では年俸が1億円から7000万円ダウンの3000万円に減額(金額は推定)。昨季は
大城卓三が正捕手として一本立ちし、
岸田行倫も一軍で出番を与えられて経験を積んだ中、チーム最年長捕手の小林はキャリアで2番目に少ない21試合の出場にとどまり、8打数1安打と屈辱の成績に終わった。
6月には35歳を迎え、ベテランの域に差し掛かる。それでも昨年12月はジャイアンツ球場や東京ドーム、スポーツジムでトレーニングなどに打ち込んだ。「基本的には(練習は)1人。終わってから1人でサウナに行って、考えています」と、あえて1人の時間を設け、自分自身と向き合っているという。
1月は古巣の日本生命のグラウンドで
中日・
大島洋平らと合同自主トレ。「とにかく試合に出るためにしっかり準備してはい上がりたい」。悲壮な覚悟で体をいじめ抜いている。
かつては正捕手としてゴールデン・グラブ賞を受賞した守備力に、3度のリーグ優勝を味わった経験も持つ。このままでは終われない。アピールに燃えている。
写真=BBM