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東都大学リーグ

上野翔太郎(駒大)が歩んだ「完全復活」への道――

 

中大との開幕カード2試合では登板機会がなかったが、次戦[9月19日から予定される対国学院大]では待望の神宮デビューが待たれる/写真=矢野寿明


苦境を乗り越え一部デビューを待つ逸材


 甲子園を沸かせたあの夏から、3年が経った。駒大の右腕・上野翔太郎(3年・中京大中京高)。2015年の夏の甲子園では、最速144キロのキレのいい直球とカットボール、チェンジアップを武器に3回戦進出。大会後は侍ジャパン高校代表に選ばれ、U-18W杯では3試合(計18回)で自責点ゼロと好投した。現在、東都一部での初登板を目指している。

 アイツはどうしているんだ。そんな声も耳に入ってくるという。

「しっかり準備をしているつもりなので、それは気にしていません」。上野はニコリと笑った。

 高校3年夏の後、右肩を痛めた。大学では1年春に二部リーグ戦で初登板を果たすも、右肩には不安を抱えたまま。「1年春は球速が130キロちょっとしか出なかった。『また痛くなるんじゃないか』と怖くて……。10球に1球、思った球が投げられるかどうかという感じでした」。

 1年夏には右肩の痛みはなくなっていたが、投球の感覚をつかめない日々が続く。1年春秋、2年春は二部リーグ戦で登板したが、主に救援で、勝ち星はなし。2年秋は登板機会がなかった。「リーグ戦で通用するレベルではなかった」と振り返る。

「1、2年生のころは、なんていうか……、相手打者に向かい切れていなかったですね。高校のころは強気の投球ができたのですが、大学では後手にまわった。配球を気にし過ぎたのが悪い方向へ行ってしまいました」

名コンビ再結成が浮上のきっかけ


 そんな上野を支えたのが、捕手の鈴木大智(3年・関東一高)だった。中学時代は愛知西シニアでバッテリーを組んだ仲で、甲子園で対戦して話題となった。駒大では再び正捕手として球を受けてくれている。

「変化に一番気づいてくれるのが大智です。ブルペンで投球が悪いときには『今日はヒジが下がっているぞ』などと、原因を教えてくれました」

 高校時代の自分を取り戻すのではなく、新しい自分のフォームを見つけようと試行錯誤した。

 今年に入ってからは調子の波がなくなり、直球で押せる自信を取り戻した。チームが一部リーグに昇格した今春のリーグ戦。その開幕前日、練習中に送球が当たって鼻を骨折するアクシデントに見舞われた。約1週間で復帰したが、出番がないままシーズンを終えた。

「ついてないな、と思いました。でも、しょうがないですよね」

 今夏はウエート・トレーニングの種目をこれまでよりも増やした。その成果で球速は146キロまで伸びた。また、新たにフォークボールを習得して、決め球を一つ加えた。

 こうして迎えた今秋。「今年が勝負の年。秋は内容だけではなく、結果を出したい」と意気込んでいる。

 開幕カードの中大戦では登板機会がなかった。大倉孝一監督は上野について「成長はしていますよ。ただ、試合で起用する順位に自分で入ってこないとね」と語っている。

 次のチャンスは、9月19日から予定されている国学院大戦。上野は前を向き、「コンディションを整えながら、任されたときに抑えられる準備をしたい」と力強く言った。

 上野が神宮球場のマウンドに立つ日を、東都ファンが待ち望んでいる。(取材・文=佐伯要)

PROFILE
うえの・しょうたろう●1997年6月30日生まれ。愛知県出身。174cm76kg。右投右打。弥富小1年から野球を始め、少年瑞穂を経て富士シャークに所属。萩山中では愛知西シニアに在籍。中京大中京高では1年夏からベンチ入りし、2年秋から主戦。3年夏の甲子園では3回戦進出。侍ジャパン高校代表で第27回WBSC U‐18W杯に出場し、最優秀防御率。駒大では1年春から2年秋までに二部で8試合登板(0勝0敗)。一部昇格した3年春は登板なし。
アマチュア野球情報最前線

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