
プロ入りした3投手[ソフトバンク・甲斐野、DeNA・上茶谷、中日・梅津]が卒業した今春、村上が主戦としてチームを背負う覚悟である/写真=井田新輔
チームを背負う3年生新エースの心意気
1年半の「空白」を埋める。そんな思いがつまった完封劇だった。東洋大の右腕・
村上頌樹(3年・智弁学園高)は4月16日の国学院大1回戦で先発すると、2安打11奪三振と好投。1年春の専大2回戦での初完封初勝利以来、約2年ぶりとなる完封で今季初勝利を挙げた。
「1年のときに完封してからは、自分の思うような結果が残せていなかったので、結果が出せてよかったです」。村上は、はにかんだような笑顔を見せた。
2016年春のセンバツの優勝投手。同年夏もチームを甲子園に導いた。東洋大に入学すると、1年春のリーグ戦で5試合に登板して2勝を挙げ、新人賞を獲得した。だが、リーグ戦終盤に右ヒジを痛めてしまう。チームは東都を制して大学選手権に出場したが、村上は戦列を離れた。
約2カ月間のノースローを経て、1年秋に復帰。3試合で救援して1勝した。しかし、それは納得できる投球ではなかった。「球が走らなくなって……。取り戻すのに1年近くかかりました」と打ち明ける。
昨年は
甲斐野央(現ソフトバンク)、
上茶谷大河(現DeNA)、
梅津晃大(現中日)の150キロ右腕トリオら4年生に好投手がそろっていて、登板機会が少なかった。昨春は3試合で先発を任されたが、1本打たれると連打を浴びて崩れる試合が続き、0勝1敗。昨秋は3試合(4イニング)で救援しただけで終えた。
「1年春はいい感じだったのに、そこから・・・
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