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九州六大学準硬式

NPB7球団が視察した153キロ右腕 大曲錬(福岡大)の将来性

 

九州大との開幕戦[3月15日]で先発し、6回無安打無失点の好投。自己最速まで2キロに迫る151キロと、視察した7球団のスカウトを驚かせた


九州に「隠れた逸材」準硬式の153キロ本格派右腕


 NPBスカウトが注目する福岡大・大曲錬は準硬式野球部のエースである。やや細身の体で力みのないフォームから投げ込む直球は昨夏、自己最速の153キロを計測した。

 3月15日、九州六大学準硬式野球春季リーグの開幕戦(対九州大、桧原運動公園野球場)では7球団のスカウトが集結。スカウトの存在を「ちょっと意識していた」という大曲だが、その投球はネット裏のスカウトの期待を裏切らなかった。1回にいきなりこの日最速となる151キロをマークし3者連続三振を取ると6回までに13奪三振。2失策と1四球で走者を出したが、外野への飛球も許さず無安打に抑えた。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、オープン戦を1試合もできないまま開幕を迎えた。それでも自慢の速球、アウトローで打ち取る制球など、スカウトをうならせるのには十分だった。もっとも本人は「まだ初戦。思いどおりの投球はできていません」と満足いかない表情だった。

高校3年夏は登板機会なし


 福岡の強豪・西日本短大付高出身。2年時に内野手から投手へ転向し、横手投げで最速は138キロだった。3年夏の福岡大会は背番号10でベンチ入りしたが、登板機会のないまま敗退。

「今の力では上では通用しない」。進学を考えながらも野球を続けるか迷っていたとき、福岡大準硬式野球部OBの西村慎太郎監督(当時)に準硬式を勧められ入部を決めた。西村氏は「硬式をやるには体もできていなかったが、将来性はある子だった。準硬式の藤野等監督は私が大学時代にコーチとして指導を受けた方だったので、お任せしようと思ったんです」と話す。「大曲は『監督の後輩になるので頑張ります』と言ってくれた」と当時を思い返す西村氏も、大曲が150キロを超える投手に成長するとは、予想外だったという。

西日本短大付高時代は右サイドの控え投手だった。福岡大準硬式で急成長を遂げ、最速も138キロから153キロにアップした


 開花のきっかけは大学で上手投げに変えたことだった。横手投げで左打者との対戦が苦手だったため、苦手意識をなくすためにフォームを上手に変えた。フォームが安定してくると次第に球速もアップ。1年時で140キロを超え、2年の夏には150キロの大台を突破。昨年夏には自己最速をマークした。準硬式の球は硬球と違い表面がゴム。「最初は感触が違って投げづらかった。準硬式の球のほうが軽い感じがするので伸びは硬球のほうがあるかもしれない」と硬球との違いを話す。

「隠れた逸材」にスカウトは熱い視線を送る。硬球での力は測れないが「ヒジの使い方もいいしバランスも取れている。もう少し鍛えなければいけないが、それだけ伸びしろがあるということ」と阪神田中秀太スカウト。広島末永真史スカウトも「初戦の初回で151キロを出すとはすごい」と話した。

「準硬式を始めたころはプロなんて考えられなかった」という大曲だが、今の目標はプロ。準硬式出身のプロは通算9勝の青木勇人(西武三軍コーチ)、17年ドラフト6位で入団した楽天鶴田圭祐(帝京大)、同年に巨人育成4位で坂本工宜(関学大)らがいるが、ともに19年限りで退団と、現実は厳しい。「8月の全国大会で日本一を取ってプロを目指したい」。今秋のドラフトで異色の挑戦者の名前が呼ばれるかもしれない。(取材・文=前田泰子)

PROFILE
おおまがり・れん●1998年5月21日生まれ。福岡県出身。179cm75kg。右投右打。昭代第二小3年時から柳川昭代ドリームズで野球を始める。昭代中時代はフレッシュリーグ・佐賀藤本ベースボールクラブで投手兼内野手。西日本短大付高では1年秋に内野手でベンチ入りし、2年秋から投手。3年夏は背番号10も登板なく県5回戦敗退。福岡大では1年春から九州六大学準硬式リーグ戦に登板し3年秋はMVP、最多勝利投手、最多奪三振、ベストナイン受賞。最速153キロ。変化球はスライダー、チェンジアップ、スプリット、カーブ。
アマチュア野球情報最前線

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