今春の東京新大学リーグは熱い。最速156キロ右腕の創価大・田中正義が「超目玉」と言われているが、身近に最大のライバルがいる。155キロ右腕・生田目翼は昨年6月の大学選手権で準優勝。全国大会の出場枠は「1」。剛腕2人の投げ合いから目が離せない。 昨年の全日本大学野球選手権では、真っ向勝負を挑んで堂々の準優勝。マウンドでの投げっぷりがいい右腕だ。昨秋はリーグ戦中に右ヒジを痛め登板は少なかったが、その間は野手として出場するなど、野球センスの良さを感じさせた。東京新大学野球リーグには今秋ドラフトの超目玉・創価大の田中正義(4年・創価高)がいるだけに、ライバルから刺激をもらいさらに成長できるはずだ。各球団の担当スカウトは春はもちろん、最後のシーズンまで動向をチェックすることになるだろう。
投球フォーム(8.5)は変なクセはないが、まだ上体の力に頼って腕力で投げていることがある。投げ終わった形が一塁側に倒れてしまうのは、体重移動がスムーズにできていない証拠。レッドソックス・上原(浩治)のように、ホームベースに真っすぐに向かっていくようなイメージを持ってほしい。そのほかの改善点を挙げれば、常に一定のテンポで投げていること。これでは打者がタイミングを合わせやすくなる。強弱をつけることもマスターすべきだ。
最速は155キロで、ストレート(9.0)は申し分ない。今年のドラフト候補に挙がる投手の中でもトップクラスの球威だ。右打者の外角を狙った球が若干
シュート回転することが気になるが、ブルペンで軌道を確認しながら投げていけば修正できる。
変化球(8.5)はスライダーが一番の武器になっている。鋭い変化をするので、決め球にも使えるし、空振りも奪える。フォークなど落ちる系の球種は落差が小さいので、こちらは投げ込んで体で覚えていってもらいたい。
制球力(8.0)はまだアバウトだが、意外に四死球は少ない。大学生相手には通用してもプロではきっちりコースを突かないと弾き返されるので、両コーナーに集めることを念頭に置いてほしい。
投球術(8.0)で言えば、左打者への攻め方に苦労するシーンがあった。打ち取るパターンを確立し、右でも左でも苦手意識なく投げられるようにならないといけない。投手守備(8.0)ではバント処理では捕球姿勢が高いように映った。各塁への送球時にもう少しスピーディーさがほしいところだ。
度胸満点でメンタル(8.5)は強い。ピンチでも動じない精神力を持っているし、逆に打者を上から見下ろして投げられるくらいの感覚でいるように見える。過信はせずに、今後も強気な姿勢を貫いてほしい。
痛めた右ヒジが気になるが、体力(8.5)は問題ない。全身の馬力やしなやかさを感じる。ただ、試合の後半になると、ばらつきが出てくる。これはフォームの修正がうまくできれば、ばらつくことなく完投できるようになる。
総合力(8.5)、将来性(8.5)は高い。
ソフトバンク・
森唯斗や
日本ハム・
谷元圭介のように、プロでは
ロングリリーフもできる中継ぎやクローザーとしても面白いかもしれない。これだけのスピードボールを持っているので、細かな制球力が身についてくれば、プロでも1年目から活躍できるかもしれない。冬を越えた成果を見るのが楽しみな素材だ。
■採点表 投球フォーム 8.5 ストレート 9.0 変化球 8.5 投球術 8.0 制球力 8.0 守備力 8.0 メンタル 8.5 体力 8.5 将来性 8.5 総合力 8.5 合計 84.0 ※採点の基準は2016年のドラフト対象選手
PROFILE なばため・つばさ●1995年2月19日生まれ。茨城県出身。174cm 83kg。右投右打。村田小4年時に日立大宮リトルで野球を始め、投手兼捕手で四番。大宮二中では内野手を経て、2年秋からエースで三番。水戸工高では1年秋から四番・遊撃。2年秋からエースで3年夏は8強進出。流通経大では1年春からリーグ戦で登板し、2年春より主戦で3年春は6勝0敗で15季ぶり29度目の優勝に貢献(MVPと最優秀投手)。大学選手権でも2勝を挙げ、1986年以来2度目の準優勝の立役者となった。