日本野球機構(NPB)は現在、国内の独立リーグとの積極的な交流を図っている。昨年から独立リーグへの「選手派遣制度」を導入し、NPBの1球団につき最大4人までの派遣が可能となった。シーズン途中からの派遣や途中からの選手の入れ替えもでき、給与はNPB側の球団が負担。昨年は四国アイランドリーグplusの香川などに
永川光浩、徳島に
小松剛(ともに
広島の育成選手)らが参加している。
交流は選手だけにとどまっていない。NPBは昨年、プロ審判員を養成する「アンパイアスクール」を新設。書類選考を経て女性を含む52人が参加し、実技や座学を中心とした5泊6日の研修から4人が合格した。そのうち、研修審判員として契約した片桐健と水口拓弥の2審判員が、今春からそれぞれBCリーグと四国アイランドリーグplusに派遣されている。NPBの井野修技術委員長は、「審判学校の1期生として、大いに経験を積んでほしい」と、飛躍を願っている。
NPB側としては、出場機会の少ない若い選手や審判に実戦経験を積ませることができる。一方の独立リーグ側は、経済的負担が少ないまま人員を確保したいという思いがある。メリットは双方にある。
独立リーグのレベルは、着実に上がってきている。今季は外国人打者として初の2000安打を達成した前
DeNAの
ラミレスがBCリーグの群馬に入団し、元
巨人の
木田優夫が同リーグの石川、元
ロッテの
小林宏之と元近鉄の
大塚晶文が同リーグの信濃に所属。NPBやメジャー・リーグでプレーした選手の次のステージとして、台湾や韓国のプロ野球に並ぶ選択肢となってきつつある。
四国の高知から2007年大学生・社会人ドラフト7巡目でロッテに入団した
角中勝也が、6年目の12年に独立リーグ出身者初の首位打者を獲得。また、BC出身初のNPB所属選手として、石川から07年に育成ドラフト1位で
内村賢介(現DeNA)が
楽天に入団した。
元
ソフトバンクの
山田秋親や元
日本ハムの
正田樹のように、独立リーグを経てNPBに復帰する選手も出始めた。ラミレスは「NPBの球団に戻るチャンスをうかがいたい」と公言し、“Uターン復帰”を熱望。群馬も全面的にバックアップする姿勢を見せている。最近は、NPB各球団のスカウト陣も、リーグ戦に熱心に足を運ぶようになった。独立リーグは、NPBへの新たな人材の供給源になっている。
NPBと独立リーグの交流・連携は、プロ野球界の拡充に大きな意味を持っている。日本では現状、傘下のマイナー・チームを全米に大展開しているメジャー・リーグのような組織形態は難しい。球界の再々編成が進まない場合、独立リーグとの関係が重要になってくる。
大都市に集中しているNPBと違い、独立リーグは本拠地が愛媛、高知、石川、新潟など地方中都市に分散。気楽に試合を見に行けるムードがあり、その垣根の低さがより幅広くファンを集め、チームが野球の楽しさを教えてくれる。NPBと独立リーグは、それぞれのメリットを求めることで、タッグを組んで地域と共生できる。経営形態は違うが、弱点を補うことで、結果的に地方ファンの開拓やレベルアップ、また底辺の拡大につながるはずだ。

2005年に開幕し、今年で10年目を迎えた四国アイランドリーグplus。NPBはこういった独立リーグと連携していきたい[写真=BBM]