春の東都リーグで4勝を挙げ、ベストナインに選ばれた田中大輝。昨年まではケガの影響で思うように投げられなかったが、地道な努力を重ね、この春ようやく開花した。プロからも熱視線を浴びる大型左腕が見据えるものとは。 
▲負傷明けの4年春、7試合に登板し4勝1敗、防御率はリーグ2位の1.11でベストナインに輝き、チームをリーグ2位に導いた
心身の土台を作った大学生活3年間
「卒業したら、プロに行きます」
そうして自分の夢を語ることに、大学3年までの田中大輝は気恥ずかしさを抱いていた。
必由館高時代から身長181センチの大型左腕と注目を集めたが、進学した国学院大では3年秋までリーグ戦の登板機会は1/3回のみ。2部で戦っていた2年時春で、チームは優勝を決めている状況だった。
大学で実績のない田中が「プロ」と口にすれば、周囲が大言壮語と受け止めても仕方ない。本人も強がりと自覚していたが、それでも意志を口にせずにはいられなかった。
「『なんでうまくいかねえんだよ』っていうときもホントに多かったです。でも、自分の目標にちょっとでも折れると、絶対に良くないと思ったので。何て言うか、自分にウソはつきたくなかったですね」
意志は言霊に宿り、4年秋を迎える田中はプロの熱視線を集める存在となっている。目標の世界に近づくことができたのは、「空白の期間」を乗り越えたからだ。
「僕が使わなかったとき、田中はあきらめずによく頑張りました」
そう回顧するのが、10年8月から国学院大を率いる鳥山泰孝監督だ・・・
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