投手にとって“特殊球”を持っているのは、大きなアドバンテージだ。最速152キロを誇り、チェンジアップ気味に落ちるシンカーは、さらに効果的。ゲームメークを覚え、真のエースへと成長している。 取材・文=佐伯要 
入学以降、リリーフ専門だったが、3年秋から先発を任され、確かな実績を残す。その表情からも自信が感じられる/写真=(R)URP
考え方が変わった、入れ替え戦での「1勝」
「立場が人を変える」という。
鍬原拓也は、抑えから先発に転向したことで大きく成長した。
1年春のリーグ戦デビューから3年春までは、主に抑えを務めていた。その当時は最速152キロを誇る真っすぐを力任せに、投げ込み、打者をねじ伏せる一方で、安定感には欠けていた。だが、昨秋のリーグ戦で先発を任されると、ストレートだけではなく、縦横2種類のスライダーやシンカーなどをうまく使うようになった。制球重視の投球で試合を作り、3勝(すべて完投勝利)を挙げている。投球スタイルが変わる前の自分を、鍬原は苦笑いで顧みる。
「球速ばかりを追い求めていましたね。打者ではなく、スピードガンと勝負していました。今の自分から当時の自分を見ると、『何をやっているんだ』と思います」
ターニングポイントとなったのは・・・
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