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森本哲星(市船橋高・投手)ポテンシャルの高い143キロサウスポー「自分がつらくても、常に笑顔を忘れず周りを安心させたい」

 

市船橋高にはプロ注目捕手・片野優羽がいるが、バッテリーを組む本格派左腕もドラフト候補に名乗りを上げる。中堅には兄・哲太が守っており、ツインズを軸に、今夏の甲子園出場を狙う。
取材・文・写真=佐藤智久

2007年夏以来の甲子園を目指す上で、日程が詰まる大会終盤もフル回転の構えだ


 春の千葉県大会、東京学館高との準々決勝のマウンドには、体重を10kg近く増やしスケールアップした市船橋高・森本哲星の姿があった。春先の紅白戦で死球を受けて戦線離脱。県大会直前の登録変更で背番号20を着け、ギリギリ間に合った状態で、この試合が今大会初登板だった。果たして投げ切れるのかという周囲の不安をよそに、被安打4、10奪三振で完封。満点回答で期待に応えるとともに、自身も体力強化の成果を実感した。

「プロになりたいならば、こんなに細くてはダメだぞ、とスタッフに怒られまして。入学当時からプロに入るという大きな目標があったので、絶対太くするという意気込みで昨年の秋から真剣に取り組みました」。110メートル20本をインターバル含め20分でこなすメニューなど、集中して走り込んだ結果、「想像していた体に近づきました」と森本ははにかむ。

 もともとカーブのような軌道を描く独特のスライダーが武器で、大崩れしない左の好投手という印象だったが、ひと冬越えて急成長。最速は昨年から5キロアップの143キロに達し、それ以上に太腿回りの太さ、上半身の筋力の張りに目を奪われた。「ボールの伸びやキレが変わりました」と、球速では測れない球の威力が増した。スライダーも球速が上がったことで、打者の手元で鋭く落ちる縦スラへと進化。

 体全体を使って、真上から投げ下ろす投球フォームも見逃せないポイントだ。

「テークバックするときに、腕をできるだけ上から振ったほうが球の回転やキレが良かったので・・・

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