異次元の角度から、最速142キロの真っすぐを投げ込む。大型投手でありながら、手先が器用で、研究熱心。大器晩成型は、最後の夏にすべてを出し尽くす。 取材・文=上原伸一 
修徳高は今夏、東東京大会の第4シード。2013年以来、6回目となる夏の甲子園出場を目指している
身長180cmを超える高校生投手は、さほど珍しくない。だが、190cm台の投手となると稀有の存在である。
篠崎国忠は192cm。子どものころから目立ち、中学入学時にはすでに180cmあった。高校1年春の段階で今とさほど変わらなかったという。体重102kg。高校入学後に18kg増えた。「筋力など、中身はまだまだ発展途上」(修徳高・荒井高志監督)ではあるが、底知れぬポテンシャルを感じさせる恵まれた体である。この体をいかに最大限に生かすか。篠崎は高校入学後からこの課題に向き合っている。
「野手のようなこじんまりした投げ方をしていたんです。フォームを修正するには時間がかかりそうだな、と思いました」
修徳高・山本将太郎コーチは初めて篠崎の投球を見たときの印象をこう語る。筑波大で投手だった山本コーチは、荒井監督から投手の技術指導を一任されている。“野手投げ”になったのは理由がある。
「小学校時代は速いボールを投げることに重きを置いていたので、ノーコンでした。当時はむしろ打撃に自信を持っていました。それが中学でコントロールを重視したところ、いつの間にか、フォームが小さくなってしまったようです」
中学は中学軟式球界の強豪・修徳中でプレー・・・
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